1. TOP
  2. ワークフローとは?ワークフローシステムのメリットや選び方などを解説!
  3. ワークフローで失敗しないポイント

ワークフローで失敗しないポイント

申請・承認業務や、承認の必要な業務、手順の決まった業務などを効率化し、属人化までも防ぐワークフローシステム。
導入メリットが多く、これから導入しようと具体的な製品を検討していらっしゃる企業様も多いのではないでしょうか。

ただ、ワークフローシステムは、導入さえすれば、どの組織でも成功が約束されている魔法の道具ではありません。
ポイントを押さえなければ導入が失敗し、かけた費用や時間が無駄になってしまうケースもあります。

そこでこのページでは、ワークフローシステムを導入したのに失敗してしまった先人たちの原因を探り、
同じ轍(てつ)を踏まずに済むよう、対策とともにご紹介いたします。


ワークフローで起きがちな失敗例

まずは、ワークフローシステムの導入で失敗した先輩方の例から、よくあるものを確認してみましょう。

次の6つのパターンが単独または複合して失敗するケースがよく見られます。

設定が難しい

ワークフローシステムは、導入したらまず初期設定が必要です。情報システム部門などの管理者を運用管理者として、ワークフローシステムを使用する従業員をユーザーとして登録し、さらに、部署やチームなどのグループを登録し、経路(承認フロー)や申請書(フォーム)を登録する必要があります。

上記4点は、最低限、設定する必要のある項目ですが、用途によっては、申請区分の分類やプロジェクトなども登録する必要が出てきます。

高機能で実現できることの多いワークフローシステムであるほど、初期設定の難易度も上がり、複雑なものになってきます。管理部門にワークフローシステムの運用経験がある人員がいたり、導入サポートが用意されていたりしない場合は、自力での初期設定が困難となり、導入の最初のステップでつまずいてしまう場合があります。
結果的に、簡単な設定しか行えず、機能を十分に活かせないという失敗に陥る可能性があります。

自社の業務に合っていない

初期設定を済ませ、いざ使用を開始してみたら、自社の申請・承認業務や事業のフローなどと合っていないことが判明したというパターンです。場合によっては、初期設定の段階で自社の業務とマッチしないことに気づくかもしれません。

自社の業務に合わないワークフローシステムを活用するには、業務の方をシステムに合わせるしかありません。それができなければ、ワークフローシステムは次第に利用されなくなり、放置されてしまいます。

操作性が低い

高機能なワークフローシステムだと、操作に慣れるまでに時間がかかることもあります。
あるいは、高機能なシステムではなくても、UI※が悪くて直感的な操作ができない、目的の作業をするのに必要な操作数が多過ぎるなどというケースもあるでしょう。

いずれにしても、日々、業務で使用するワークフローシステムの操作性が低いことは、業務効率を考える上で致命的です。必要以上に作業に時間がかかったり、ストレスを感じたりすることになりかねません。

※UI…User Interface(ユーザーインタフェース)。ユーザーがコンピューターと接する部分、多くは操作画面のこと。

上層部が使ってくれない

特に、現場主導でワークフローシステムを導入することになった場合に起きやすい失敗です。
上で挙げたような失敗が起きなかったとしても、経営層などの管理職者が年配だったり、デジタルに対して拒否反応を示すような、いわゆる「デジタルアレルギー」だったりする場合は、正当性のある理由なしに「紙の方が良い」と、ワークフローシステムを受け入れてもらえないこともあります。

多くの企業では、承認権限を持つのは役職者であるため、上記のような状態であればワークフローシステムを用いた申請・承認が不可能となり、ワークフローシステムは放置されることになるでしょう。

外部連携ができない

当然ながら、ワークフローシステムで扱うデータの中には、基幹システムや業務システムで扱うデータと共通するものが存在します。

こうしたデータは、毎回、個々に手入力していては非効率的です。データ連携して同一データを共有すれば、データを一元管理できるようになり、入力ミスや二重登録などを減らすことができます。また、データ管理を効率化して、人件費も削減することが可能です。

しかし、導入したワークフローシステムが、外部連携に対応していなかったり、CSV連携にしか対応していなかったりすると、効率よくデータを連携できません。
すると、ワークフローシステムを導入したものの、業務効率化の効果も限定的になってしまいます。

ワークフローの変更に合わせられない

導入後、ワークフローシステムが現場に浸透し、活用が軌道に乗った頃に現れるのが、この失敗例です。時間の経過とともに、申請・承認業務や、申請・承認が必要な業務において変更が加えられるのはよくあるケースです。業務効率化や生産性向上などのために改善を加えた結果であることも多く、このこと自体は悪いことではありません。

問題は、導入したワークフローシステムに柔軟性がなく、新たな申請・承認や業務フローに合わせて設定を変更できないことです。設定が変更できず、現状の業務とワークフローシステムに乖離があれば、「自社の業務に合っていなかった」と同様に、最終的には活用されなくなるでしょう。

 

ワークフローで失敗する原因

このような失敗は、なぜ起きてしまったのでしょうか?
原因として考えられる要素は、大きく次の2点です。

ワークフローの吟味が不十分

上記のうち「設定が難し過ぎた」「自社の業務に合っていなかった」「操作性が低かった」「外部連携ができなかった」という4点は、ワークフローシステムの選定が不十分であったために起きた失敗です。

別ページ「ワークフローシステムの導入準備で行うべきこと」でもご紹介していますが、ワークフローシステムの導入に当たり、導入目的を明確にし、使用する部門や規模を確認した上で、ワークフロー化するフォーマット(書類)や業務を検討する必要があります。
さらに、現状のワークフローごとの承認ルートを調査して、改善できる部分がないかどうかを検討することも大切です。

こうした準備を整えた上で、自社の目的や業務に合ったもの、操作性が高いもの、柔軟性や拡張性があって外部連携しやすいものといった条件を満たすワークフローシステムを選び出す必要があります。

社内への周知徹底ができない

ワークフローシステムの導入においては、経営層などの上層部が主導するトップダウン型と、現場の担当者が主導するボトムアップ型の2つのパターンがあります。
どちらの場合も、管理部門とユーザー部門、双方の理解や賛同が必要になってきます。

管理部門は導入を主導する立場に立つことが多いため、さほど問題にはならないでしょう。どちらかといえば、ユーザー部門の理解・賛同を得ることの方が重要になってきます。
もし、ユーザー部門の理解・賛同がなかったら、オンボーディング※が上手くいかず、ワークフローシステムを社内に浸透させることは困難になります。

つまり、社内の理解・賛同を得るための説明が不十分であると、ワークフローシステムの導入に失敗してしまうということです。

※オンボーディング…もともと乗組員を指す英語(onboarding)だったものから転じて、ITツールなどを使いこなせるようになるようにサポートする活動のこと。

 

ワークフローで失敗しないポイント

以上を踏まえて、ワークフローシステムの導入で失敗しないためには、何をすれば良いのでしょうか?

大きなポイントは、「選定フェーズに力を入れる」「社内に十分な説明とオンボーディングを行う」の2点です。

選定フェーズに力を入れる

1つ目は、ワークフローシステムの選定に注力することです。
費用と時間をかけて導入するわけですから、どの企業でもそれなりに力を入れて選定を行っているはずですが、特に以下の4つのポイントを押さえることで、失敗しにくくなります。

事前に自社のワークフローを確認

ワークフローの吟味が不十分だった」でもお伝えしましたが、それまでアナログ作業で行ってきたワークフローをシステム上に乗せる前段として、まずは、自社のワークフローを把握するところから始める必要があります。

事前に自社のワークフローを確認し、さらに改善すべき点があれば、検討・改善を進めておくことで、ワークフローシステムの導入効果を、より高めることができます。

必要な機能を確認

現状のワークフローを確認し、改善が済んだら、申請・承認業務や業務プロセスの中に含まれているステップを洗い出します。
さらに、自社がワークフローシステムを導入する目的を明らかにしましょう。

これに合わせて、ワークフローに求める要件を検討してきます。
ワークフローには一般的に、次のような機能があります。
・ワークフローのデザイン機能:カスタムで承認フローを設計したり、編集したりできる機能。
・自動化機能:タスクやプロセスを自動化できる機能。
・通知とリマインダー:タスクの状態や期限に関する通知機能。
・セキュリティ機能:アクセス権限の管理、セキュリティ対策など。
・外部連携機能:既存のツールやアプリケーションとの連携が可能になる機能。
・モバイル対応:モバイルデバイスからのアクセスや操作ができる機能。
・レポートと分析機能:ワークフローの実行状況を分析したりレポート出力できたりする機能。

上記のような機能のうち、自社にとって必要なものをピックアップして、優先順位をつけましょう。

管理者の運用のしやすさのチェック

ワークフローシステムの選定で要件を洗い出す際、どうしても目が行きがちなのは、ユーザー向けの機能ですが、導入後、中長期にわたって運用管理していくことになるため、管理者目線で運用のしやすさを考慮することも重要です。

たとえば、システムの障害や問題が発生した際に、運用管理者が効果的にトラブルシューティングできるサポートが用意されていたり、ユーザーのアクセス管理ができるなどデータのセキュリティを保護が可能だったり、業務プロセスや要件の変更に応じてワークフローシステムを調整できるよう、カスタマイズ性と柔軟性に優れているものを選ぶと良いでしょう。

トライアル期間で操作性を試す

導入プロジェクトメンバーにとってベストな選択であっても、ユーザーとなる従業員にとって必ずしも使いやすいワークフローシステムであるとは限りません。

そこで、本導入の前に、無料トライアル期間などで実際のワークフローシステムの操作性を従業員に試してもらう必要があります。
「目的を達成するために必要な操作数が多過ぎないか」「直観な操作が可能か」「新たな操作を行いたい場合に十分なナビゲーションがあるか」といった観点でチェックしてもらうと良いでしょう。

なお、ワークフローシステムの選び方について詳しくは、こちらのページをご覧ください。

31日間の無料お試し実施中

お役立ち資料

お役立ち資料を無料で
ご活用いただけます