ワークフロー自動化ツールと
ワークフローシステムの違いとは?
社内稟議や承認の必要な業務において、導入が進んでいるワークフローシステム。
近年、似た名前のITツールで「ワークフロー自動化ツール」というものが登場しています。
「ワークフロー自動化ツール」とは、どのようなものでしょうか?
このページでは、ワークフロー自動化ツールと比較しながら、ワークフローシステムで実現できる自動化の範囲や、
それぞれの自動化機能を使って実現できること、その事例などをご紹介いたします。

ワークフロー自動化ツールとワークフローの違い
まずは、ワークフロー自動化ツールとワークフローシステム、それぞれの概要を押さえておきましょう。
ワークフロー自動化ツールとは
ワークフロー自動化ツールとは、手動で行っている定型業務を自動化できるITツールのことです。トリガーとなる条件を設定しておき、トリガーが発生したら実施されるべき作業を設定することで自動化します。ワークフローオートメーションとも呼ばれます。
複数のアプリケーションやシステムをまたいで自動化を実行でき、設定を変更すれば自動化できる範囲も変わるため、柔軟性、拡張性に優れています。
ワークフローシステムとは
一方、ワークフローシステムとは、申請・承認が必要な業務において活用できるITツールのことです。申請・承認の進捗状況をリアルタイムに可視化・共有できます。
紙ベースやExcelなどで申請・承認を行っている場合に、ワークフローシステムを導入することで業務を効率化できます。内部統制の強化の実現も可能です。
ワークフローシステムについて詳しくは、下記のページをご覧ください。
ワークフロー自動化ツールとワークフローシステムは、どちらも業務の効率化に役立つITツールですが、自動化できる範囲や効率化できる業務が異なります。それぞれ、以下でご紹介いたします。
自動化できる範囲
ワークフロー自動化ツールとワークフローシステムでは、自動化できる範囲が異なります。
ワークフロー自動化ツールで自動化できる範囲
ワークフロー自動化ツールで自動化できる範囲は幅広く、アプリケーションやシステムをまたぐような作業であっても、反復性があってルールベースで決まった手順がある業務であれば自動化が可能です。データ連携なども得意です。
逆に、頻繁にルールが変更になるようなタスクや、人の判断や創造性が必要なタスクは自動化することができません。
ワークフローシステムで自動化できる範囲
一方、ワークフローシステムで自動化できる範囲は、「申請から承認まで」となり、ワークフロー自動化ツールに比べると限定的です。
稟議や残業などの申請、上長による承認が必要だったり手順が厳格に決められていたりするタスクの自動化に向いています。
効率化できる業務例
ワークフロー自動化ツールとワークフローシステムでは自動化できる範囲が異なることから、効率化できる業務も異なります。
それぞれの業務例を以下でご紹介いたします。
ワークフロー自動化ツールで効率化できる業務例
ワークフロー自動化ツールで効率化できるのは、たとえば、次のような業務です。
・在庫管理(在庫が一定量以下になったら自動で発注する、など)
・各種レポートの作成と共有(指定した日時に自動でレポートを生成し、関係者にメールで送信する)
・採用面接の自動スケジューリング
・IT運用(異常を検知したら自動で修復プロセスを起動する、など)
ワークフローシステムで効率化できる業務例
一方、ワークフローシステムで効率化できる業務としては、次のようなものが挙げられます。
・社内稟議の申請・承認業務
・休暇や残業の申請・承認業務
・報告書の回覧
・標準化したい業務(現状では属人化してしまっている、など)
業務効率化を実現できた事例
最後に、ワークフロー自動化ツールやワークフローシステムの利用イメージを膨らませていただくために、それぞれの導入によって業務効率化を実現できた事例をご紹介いたします。
ワークフロー自動化ツールで業務効率化を実現できた事例
まずは、ワークフロー自動化ツールで業務効率化を実現できた事例を2点、ご紹介いたします。
記念日における利用促進を自動化し、20%のROIを達成(オンラインギフト販売会社)
オーストラリアで、フルーツを使ったブーケやチョコレート、バスケットといったギフトを提供するこちらの会社では、記念日での利用が多いことから、顧客が一度、利用した日を記念日と想定してデータベースに登録し、毎年、記念日が近づくと、10日前と2日前にリマインドメールを送信するという業務を、ワークフロー自動化ツールを導入・活用して自動化しました。
このワークフロー自動化ツールを導入のROIで、20%という結果を出しました。
データの転記を自動化して、毎月1時間の時間を削減(A社)
A社では、担当者からメールでCSVファイルを受け取り、このデータをExcelの指定の場所へ転記した上で、各CSVファイルにルールに沿ってファイル名を付けて保存するという業務が発生していました。
これをワークフロー自動化ツールによって自動化したところ、毎月1時間の業務時間を削減でき、さらに社内のほかの業務にも利用すれば、10時間ほどの削減が見込めるといいます。
ワークフローシステムで業務効率化を実現できた事例
つづいて、ワークフローシステムで業務効率化を実現できた事例を2点、ご紹介いたします。
本社と調剤薬局550店舗をワークフローで繋ぎ、社内業務を一元化(I&H株式会社)
阪神調剤薬局などの調剤薬局約550店を全国にチェーン展開するI&H株式会社では、各店舗から本社への各種申請・報告をメールや紙の書類の郵送で行っていました。
異なる複数のアナログな方法で申請が届くため、本社側の社員の負担が増大していました。
また、申請・報告のルートや方法が明確になっていなかったため、調剤薬局の開局・閉局情報などは報告ルートの途中で情報が滞留することもあったといいます。
さらに、調剤薬局店舗の行政認可や更新情報の収集・管理に関わる業務負荷も高まっていました。
そこで、必要なデータを本社側、各店舗、グループ企業の間で共有・参照でき、各種申請・承認や業務フローを可視化・システム化する全社共通のプラットフォームとして、ワークフローシステム機能に定評のある「intra-mart」を導入。
複雑なワークフローにも対応でき、承認までの工数を削減でき、申請・報告ルールの統一・明確化や可視化、データの一元管理を実現できたといいます。
さらに、インフォメーション機能でグループを含む全社へ一斉に情報発信できるようになりました。
事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
時間や場所を選ばず入力できることで評価精度が向上!ペーパーレス化でワークフローの所要時間は半減(西武鉄道株式会社)
武蔵野鉄道株式会社として設立し、東京都北西部と埼玉県南西部で12鉄道路線を始め、バス、タクシーなどを運営する西武鉄道株式会社では、構築から15年以上が経過し、ブラックボックス化したシステムの刷新が急務になっていました。
同システムでは、運転士や車掌が実際に業務をする現場に立ち会って適切な所作ができているかを確認する「添乗」を管理していました。4段階評価で点数をつけた後、添乗者から所長までの紙による承認ワークフローを経て閲覧されるというものですが、既存のシステムの仕組みでは、評価内容を運転士や車掌に具体的に伝えることができなかったといいます。
そこで、クラウド型のワークフローシステム「Accel-Mart」を導入。承認ワークフローを電子化したことで、プロセスの時間そのものが半減した上に、乗務員へのフィードバック機能の追加を実現しました。
事例の詳細は、こちらのページをご覧ください。
まとめ
ワークフロー自動化ツール(ワークフローオートメーション)では、一定のルールに基づいて繰り返し実施すべき定型業務を自動化するのに適しており、ワークフローシステムは、申請・承認を自動化するのに適しています。
それぞれ、自動化できる範囲や適した業務が異なるため、自社の業務の中で非効率性が課題となっている業務に最適なものを選んで導入しましょう。
「ワークフローシステムで業務効率化を実現できた事例」でご紹介した「intra-mart」は、ワークフロー機能に定評のあるシステム基盤です。ローコードで開発できるプラットフォームでありながら、業務プロセスの自動化機能も標準装備されており、定型業務の自動化も実現できます。
既存の申請・承認フローに加え、効率化したい業務を抱えている企業様におすすめです。
詳しくは、下記の詳細ページをご覧ください。