株式会社システック様
全社的なデジタル活用にクラウド型ローコード開発サービス「 Accel-Mart Quick」採用
内製化の定着・活用に伴走する「カスタマーサクセス支援サービス」を活用しノウハウ蓄積
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中小規模の製造業では、デジタル活用の進捗度が二極化しつつある。業務改善を進めるためのデジタル基盤を整えた企業は、着実に成長軌道に乗っているケースが多い。エレクトロニクス領域のものづくりに携わる株式会社システックもそうした取り組みを進める企業の1社だ。
全社的なデジタル化推進の基盤としてクラウド型ローコード開発サービス「Accel-Mart Quick」の活用を進めるとともに、本サービスの定着・活用を支援する「カスタマーサクセス支援サービス」を最大限に利用して内製化のノウハウとスキルを蓄積し、事業環境の変化に強い業務基盤づくりの体制を整えようとしている。
課題
全社を挙げてデジタル化を推進する経営方針に
将来の業務プロセス改善を見据えたデジタル基盤にワークフローが不可欠
システックはハードウェア、ソフトウェアを問わず、電子基板を使ったさまざまな製品・ソリューションの設計から製造に至るまで、メーカーのものづくりにおけるあらゆる工程を請け負い、またエンジニアも派遣してトータルに支援できるエレクトロニクス分野のエンジニアリング企業だ。製造業が基幹産業である浜松市に本拠地を置き、東海圏の大手メーカーなどを主な取引先として、堅調に成長している。
特に産業機器・ロボット向けの高速通信制御に活用するハードウェアやソフトウェアの設計・製造に強みを持ち、5Gの商用化やIoTの浸透などを背景にビジネスを拡大している。自社工場に実装ラインを備えるとともに設計部隊が常駐しており、「極端な例だが、携帯電話を作りたいという要望を受けた場合でも、ソフトウェア、ハードウェア、筐体の開発から製造まで一貫して対応できる体制を整えているのはシステックならではの差別化要素だ」と総務部担当部長 兼 デジタル推進課 課責任者 兼 経営管理課 課責任者の竹内佳春氏は説明する。
エレクトロニクス分野を幅広くカバーする高い技術力やナレッジ、ノウハウを競争力の源泉とするシステックだが、その従業員数は約250人と決して大規模な組織ではなく、日本の多くの中小製造業企業と同様に、業務のデジタル化の遅れは大きな課題であった。
そこで2022年度(23年3月期)に、全社を挙げてデジタル化を推進する経営方針が打ち出され、専門組織としてデジタル推進課が設置された。総務部 担当部長と経営管理課の責任者の兼務でデジタル推進課を率いる竹内氏はまず、バックオフィスを中心とする業務のペーパーレス化を進めることから取り組みを始めた。「従来、各種申請業務はほとんどが紙ベースの運用だった。業務を根本的にデジタル化してペーパーレス化の効果を高めるためには、単に紙の書類を電子化するだけでなく、ワークフローシステムを導入する必要があると考えていた」
当時、システック社内で導入済みのITツールの中には、ワークフロー機能を備えたものも複数あった。しかし、これらの既存ツールでは、同社が求める要件を満たすことができなかったという。竹内氏は「まずは今の申請ルートをそのままデジタル化するという前提で考えたが、複数の部署をまたぐなど、複雑な申請・決裁経路の設定が必要で、既存のツールではそうした要件に対応できなかった」と話す。
また、ワークフローの導入を中心としたペーパーレス化の施策を検討する中で、申請ルートそのもの、つまり業務プロセスの見直しも将来的に必要という課題意識も芽生えた。「業務プロセスの改善まで踏み込むとデジタル推進課だけでなく全社的な議論になるので、長い目で取り組む必要があるが、少なくとも将来的な業務プロセスの見直しにも柔軟に対応できるワークフロー機能を備えた製品・サービスが必要だとは考えていた」。そうした観点で選定されたのが、中小企業や中堅・大企業の部門利用向けのクラウド型ローコード開発サービス「Accel-Mart Quick」だった。
導入
全社のデジタル基盤になり得る充実した機能を評価
「カスタマーサクセス支援サービス」も利用し内製化を推進
竹内氏はワークフロー製品の情報収集を進める中で、ワークフローのみに特化した製品では、せっかくのIT投資の効果が限定的になってしまうのではないかと考えるようになった。「ローコード/ノーコード開発が近年注目されるようになってきているが、そうした機能も網羅した便利なものはないかと、情報収集に相当注力した」という。
そんなある日、メールマガジンに目を通していて見つけたのがAccel-Mart Quickだ。興味を持ってWebサイトで資料を探して熟読した結果、「これは運命の出会いかもしれない」と感じたという。システックにとって最も重要な要件だったワークフローの柔軟な申請ルート設定が簡単に実現できそうだという感覚を持ったことに加え、「システムのバックグラウンドでロジックを組めば細かい要件にも柔軟に対応できるし、ワークフロー以外にもノーコード/ローコード開発でさまざまな業務アプリケーションを開発でき、ファイル転送機能まで付いている。その充実した機能に反して価格は非常にリーズナブルだと感じた」と振り返る。
また、同社には「Excel文化」が根付いており、業務に関するほとんどのデータはExcelで管理・共有され、必要なデータの収集や加工に苦労しているという。Accel-Mart Quickはスプレッドシート機能も備えており、各自がローカルで管理しているExcelデータをクラウド上に集約・共有できるため、脱Excel用途でもメリットは大きいと考えた。ワークフロー機能に対する評価をきっかけとしつつ、将来的に全社のデジタル化推進の基盤として活用できると判断し、Accel-Mart Quickの導入を決断した形だ。
Accel-Mart Quickの導入にあたっては、オプションの「カスタマーサクセス支援サービス」も合わせて採用した。労働人口が減少する将来、IT人材確保が一層厳しくなる中で全社的なデジタル化の基盤をつくっていくためには、内製化でタイムリーに必要なアプリケーションをつくり、育成も含め自社で運用できる体制が必要だと考えていたためだ。 Accel-Mart QuickはITの経験や知識がなくてもアプリ開発ができる使いやすさが特徴の一つだ。しかし、竹内氏は「私自身はエンジニアとしての経験があるため、Accel-Mart Quickの利用自体に苦心することは少なかったものの、全社的なデジタル化に向けてどのように進めるべきか、といった点でカスタマーサクセス支援サービスによる伴走が有効だと判断しました。一方、ITスキルがないメンバーには、近い将来、業務のデジタル化をAccel-Mart Quickを活用したアプリ開発の内製化で自走してもらおうと考え、その点で同サービスによるイントラマート社の支援が近道だと感じた」と語る。
導入プロジェクトは、システック側とイントラマート社のカスタマーサクセス支援サービス担当者が一つのチームとして協働したようなイメージだったという。竹内氏は「まずは要件定義を詰めて、というようなコンサルティングの型にはまったやり方ではなかった」と説明する。「弊社として“こんなことを実現したい”というゴールを示すと、それをどう実現するのかというアイデアをイントラマート社が提示してくれ、ワークフロー開発もさまざまなアプローチで支援をしてくれた。フラットにコミュニケーションを取りながら一緒に手を動かし、当社の目的に沿ったサンプルも提供していただき、開発のノウハウやスキルの向上を促してくれた。まさに顧客に寄り添って、開発工程やノウハウ・スキルの獲得を支えてくれた」
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効果
事務作業を効率化するとともに業務プロセスを最適化
内製化拡大のためのスキルトランスファーで人材育成も
「業務の改善効果についてはこれから詳細な検証を進める段階」としながらも、ペーパーレスによるコピー用紙の節約効果や、人の手を介して紙の書類を受け渡しするための移動時間の削減効果は明確というのが竹内氏の実感だ。「ワークフローの開発が進むほど事務作業の効率化が加速すると期待している。その時間を本来の業務に使うことができるようになったと感じてくれる社員が増えるのでは」と話し、各種申請業務や伝票処理にAccel-Mart Quickを広く活用できる手応えを得ている。
Accel-Mart Quick導入プロジェクトを通じて得られたメリットもある。従来の紙ベースの申請の中には、経路が曖昧な運用が続いていたものもあったが、カスタマーサクセス支援サービスを利用する中で、「イントラマート社のメンバーから背中を押していただきながら一緒に従来の申請フローや伝票の棚卸しを進めたことで、申請経路を改めて整理して業務プロセスを最適化できた」と竹内氏は笑顔を見せる。
カスタマーサクセス支援サービスにより、内製化拡大のためのスキルトランスファーも順調に進みつつある。デジタル推進課だけでなく、経営管理担当の社員も巻き込み、関連業務をAccel-Mart Quickでデジタル化するためのアプリケーションを開発したり、デジタル化した業務プロセスをAccel-Mart Quick上で改善したりといった取り組みを現場主導で進められる体制づくりがスタートしている。
未来
基幹系の連携でより広範囲の業務効率化に挑む
散在するExcelデータもAccel-Mart Quickに集約
当面の見通しとしては、先行して開発・運用しているワークフローの定量的な効果を分析しつつ、各種申請業務のデジタル化を拡大すべく追加のワークフロー開発を進める予定だ。社内に散在したExcelで管理するデータをAccel-Mart Quickに集約・共有できる環境づくりにも取り組む。
また、Accel-Mart Quickをハブとして、部門をまたいだ情報共有やデータ活用、業務処理の効率化・自動化の仕組みづくりにも注力する。竹内氏は「社内の業務プロセス全体をデジタル化していくための基盤を早急につくらなければならないという課題意識がある中で、Accel-Mart Quickがそこを担ってくれるという手応えはある」と話す。その一つがオンプレミスで運用する基幹システムとの連携だ。「既存のクラウド・オンプレミスのシステムと柔軟に連携できるため、社内システムのハブとして活用できる。こうしたアイデアもカスタマーサクセス支援サービスの中でイントラマート社から提案してもらった。課題を共有したらソリューションを一緒に考えてくれるというスタンスが非常にありがたい」と評価する。
内製化リソースの拡充にも継続的に取り組んでいく。「既存のIT環境を生かしつつ、業務のインターフェースはAccel-Mart Quickに統一するのが理想的だと考えている。そのための開発を自分たちで手掛けることができれば、事業環境の変化への対応力も上がり、IT投資のコスト効率も高まる」と竹内氏。Accel-Mart Quickによる開発のノウハウ・スキルを持つ社員を業務部門にも広げていくべく、社内の啓発活動にも力を入れる。
基本情報
株式会社システック
所在地
静岡県浜松市浜名区新都田1-9-9
設立
1976年2月
事業内容
電子基板を使ったさまざまな製品・ソリューションの設計から製造に至るまで、あらゆる工程を請け負う。特に産業機器・ロボット向けの高速通信制御に活用するハードウェアやソフトウェアの設計・製造に強み
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